Duolingoを始めたのは2022年の10月だった。
翌2023年からタイへ赴任することになり、タイ語と英語を勉強しようと考えたのがきっかけだ。特に強い決意があったわけではない。無料で始められて、スマホで完結する。それくらいの理由だった。
最初のころは、あまりできない日もあった。それでも、一定のポイントを取ると得られる月間チャレンジのバッジだけは、これまで一つも取りこぼしていない。そして今日時点で、連続記録は1406日になっている。
実際にタイでは、2023年の1年間を過ごした。その話はまた別に書く。
ここで書いておきたいのは、あのとき始めたアプリだけが、今も途切れずに続いているということだ。
30年間、教材を買っては続かなかった私が、これだけは途切れずに続いている。自分でも意外だった。
なぜ、これだけは続いたのか
理由は、たぶん意志ではない。振り返ると、三つある。
フレンズ連続記録
相互フォローした人の中から5人まで選び、その相手と二人三脚で連続記録を保つ仕組みがある。どちらかが休むと、その記録は途切れてしまう。
今、私が一緒に走っている5人との記録は、715日、642日、589日、551日、272日。実際には全く知らない人たちだ。一人だけ272日と短いのは、前に組んでいた人が脱落してしまい、途中で新しく選び直したからだ。
相手がいる、というのは思ったより効く。自分ひとりなら「今日はいいか」で終わりそうになる日でも、相手の記録まで切ってしまうと思うと、スマホを開く。
最低、レッスンを一つでいい
レッスンを一つでもやれば記録としては続く。だから、どうにもならない日は、いちばん早く終わるレッスンだけをやる。速いものなら2分程度で終わる。
「今日はちゃんとやろう」と思うと、できない日は丸ごとゼロになる。2分でいい、と決めておくと、ゼロにならない。
有料プランにした
無料でもできるが、制限があって続けにくいと感じた。今はMAXプランにしていて、キャラクターとビデオ通話の形式で会話ができる。AIが使われている。
払っている、というだけで「無駄にしないようにしよう」という気持ちが少しは働いていると思う。
できるようになったこと
そのビデオ通話形式のレッスンは、始めた当初、正直かなり苦痛だった。
とにかく聞き取れない。短い文なら聞き取れるし、意味もわかる。ところが少し長い文になると、一瞬一瞬は聞き取れているのに、次々と単語が並んでいくうちに前の単語が頭から消えていき、文として組み上がらない。
なんとか相手の言っていることがわかっても、今度は返答が日本語でしか頭に浮かばない。言いたいことが、まったく言えない。
それでも毎日続けていると、変化があった。
相手はだいたい、こちらが話せる話題から入ってくるようになる。同じような質問が毎日繰り返されるので、返答が少しずつできるようになってくる。少しできてくると、相手は話題を広げてくる。逆にこちらがまったく反応できないと、話題を変えて、答えやすい内容に修正してくる。
このまま続けていけば、徐々にできるようにはなる気がする。それは実感としてある。
できないままのこと
ただ、限界も見えてきた。
長い文になったときに前の単語が消えていく感覚は、今も変わっていない。言いたいことが日本語で浮かんでから止まるのも同じだ。出てくるようになった単語もあまり変化しない。
Maybe…
Usually…
Actually…
I’d like to try…
つまり、足りないのは知識ではなく 瞬発力 なのだと思う。
聞いた音が、意味になるまでの速さ。言いたいことが、英語の形で出てくるまでの速さ。そして、その速さを支えるだけの語彙。この三つが足りていない。
Duolingoは、タイムトライアルのようなレッスンは少ない。こちらが回答するまでひたすら待っていてくれる。実際の会話には、その時間がないし、レッスンでも言葉が出てこないと自分にがっかりする。
だから、一つだけ足す
新しく何かを始めるのではなく、届かなかった部分にだけ足すことにした。
やることは、ネイティブの速度で聴いて、シャドーイングしながら頻出の語彙を伸ばす、というものだ。
理由は単純で、これがそのまま「できないままのこと」の裏返しになっていると思うからだ。ネイティブ速度で聴くのは、単語が消えていく問題に対して。口に出して追いかけるのは、返答が出てこない問題に対して。頻出語彙は、その両方を支えるために。
素材は、意味がだいたいわかるものを速い速度で、を基準にしようと思う。難しすぎるものを選ぶと、音だけを追いかける作業になって、意味が入ってこない。
どう続けるか
ここが一番大事だと思っている。
1406日続いた理由は、内容が良かったからではないと思う。
短くて、毎日同じ場所にあって、2分でも成立したからだ。
Duolingoは、続けるための仕組みがとてもよくできている。
であれば、新しいものも同じ条件に乗せるしかない。
だから、Duolingoが終わった直後に、5分だけやる。時間帯を新しく作らない。やることを増やさない。これ一つだけにする。
過去に何度も、良さそうな教材を同時に抱えて、全部やめてきた。今回はそれをしない。
到達点をひとつだけ決めておく
「英語ができるようになる」では、いつまでたっても届かない。30年やってきて、それだけはわかった。
なので、今回の到達点はこう決めた。
聞いた文に対して、間をおかずに口が動くこと。
正しい文でなくていい。速く出ればいい。これなら、できたかどうかを自分で判定できる。
しばらく続けてみて、変化があってもなくても、また書く。1406日の記録は、明日以降も伸び続ける予定だ。
